なみのりいるかの夢

しばらくは雑記です。

島本理生さんの小説の美味しい物達 その2

島本理生さんの「わたしたちは銀のフォークと薬を手にして」から色々なご飯を食べるシーンを、椎名さんと知世ちゃんの食べていた物を中心にまとめてみました。

 

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして
その2です。

 

海鮮居酒屋の蟹の甲羅焼き
ビール

女子会と言うより何時もの飲み会な海鮮居酒屋のシーンでは、こっくりと磯臭い蟹の味にビールという組合せでワイワイと楽しそう旅行の話が進んでいきます。

 

花の香りのスパークリングワイン

海鮮居酒屋で決まった旅行先のウェルカムドリンクは華やかで、女子で、キラキラしています。ここでのモデルは星野リゾートの箱根の宿なのでしょうか?余りの素敵さにお値段調べて訪ねるのは挫折しました。でも、いつか行ってみたいですね。

 

ビール

海老のジュレ

ローストビーフ

吟醸酒

フォアグラの湯葉揚げ

ハートランドビール

黒ごまきなこと梅のアイス

さて、夜のお料理は豪華と言うよりは丁寧に大切に作られた物ばかりです。特に吟醸酒の出てき方が、青いカエデの葉と青いガラスのお猪口というお洒落で夏前の箱根の雰囲気にとても合います。海老のジュレも気になるのですが、フォアグラの湯葉揚げが食べたくてたまりません。彼女達の悩みもありつつハートランドビールで呑み込む感じが、なんだかつらいです。

 

鯵のたたき

水餃子

ビール

椎名さんの自宅から始まるお料理なのですが、椎名さんがさばいた鯵に生姜と紫蘇とネギと味噌を叩き、知世ちゃんが餃子を茹でるこのシーンは、本当に何気ない日常です。日常であるがゆえに、この後の病院の話でグッと持っていかれます。さらに旅行の話へと続き、引き込まれれていきます。
ここの「好きとか嫌いとか、訊かないと分からないね。全然違う環境で育ってきたのを実感する」のセリフも好きです。

 

塩焼き山女魚

ビール

トラブルがあって落ち着いてから食べる、この白い身がほっこりした山女魚は、ちょっとほっとする感じでした。そしてお酒を飲む人と飲まない人の食に対する姿勢に納得してしまいます。お酒を飲めるか飲めないかで、食に対する幅が変わる様な気はします。

 

鯛めし

生春巻き

タコとトマトのサラダ

筑前煮

外国ビール

ここで茉奈の話が出て、椎名さんの部屋での食事へと続きます。室内の様子に、黒い土鍋で作る鯛めしにちゃんと三つ葉を飾るところが、椎名さんの人柄を際立たせますよね。生春巻も何気に難易度高い気がします。筑前煮は知世ちゃんが作ったのかな?そして、ここで出てくる外国のビールが何か気になります。色々迷走している茉奈は頑張って幸せ掴んで欲しいですよ。

 

この辺りはビールが必ず出てくるイメージですね。それでも、ジョッキだったり、缶だったり、ハートランドだったりとバリエーションに富んでいます。知世ちゃんはどこのメーカーが好きなのか気になりますが、多分、椎名さんと同じか、あまりこだわらないのかなぁと思います。

 

やっぱりまとめ終わらなかった!続きます!

 

キリン ハートランド 小瓶 330ml×6本セット

 

小説 臨機巧緻のディープ・ブルー 小林一水

国産SFのファーストコンタクト物を探しています!という事で、色々な方に聞いて回りお薦め頂いております。

臨機巧緻のディープ・ブルー 小林一水

臨機巧緻のディープ・ブルー (朝日ノベルズ)

こちらもTwitterのフォロワーさんより、ファーストコンタクト物でお薦め頂いた国産SFです。

海洋生物好きにはとても嬉しいお話でした。呼吸を司る部分、親愛の表し方、ほんのりと出てくる生殖に関する記述も説得力があり、すんなりと世界に入っていけました。生殖方法が変わると思想的な部分に大きな差が出ていたり、扱いが違っていたりと面白いですね。
ファーストコンタクト部分はコンタクトアクションと呼ばれ、すでに実績のあるコンタクト方法が確立されています。その中でもボイジャー計画を思い出させるような物もありました。「プレゼントボックス」と名付けられた贈物が出てくるのですが、内容がとても面白いのです。回収されるかどうか、何か返ってくるかなど全てを含めて考えられており、相手について明らかになる過程も含めて面白いです。

3つの種族がどの様にに関わり、どの様に関係を維持するか、最後まで読んで下さい。主人公とディープ・ブルーの住人との出会いと別れは必然ではあるのですが、やはり寂しさがありますね。
「ーそれまで、ともにくらそうか、ヨルヒア」この最後の長老との会話がほんの少しだけ希望と言うか夢を感じさせられて素敵でした。

島本理生さんの小説の美味しい物達 その1

島本理生さんの小説には美味しいご飯やお酒が沢山出てきます。そんな美味しいご飯をまとめてみました。

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

今回は「わたしたちは銀のフォークと薬を手にして」から、多くなったのでその1です。色々印象的なシーンとご飯を食べるシーンが重なって、美味しそうで食べたくなります。そのうち同じ物を食べて見たいなと思いつつ、椎名さんと知世ちゃんの食べていた物をまとめてみました。

 

昆布と白菜と豆腐の蟹鍋
スパークリング日本酒
微発泡の白
ころんと丸い苺のお菓子

後書きにもあるように、雑誌「BIRD」の掌編からはじまります。シンプルで美味しい鍋とか、ほのかに甘いお米の味とか、美味しそうでたまりません。ここで出てくる苺のお菓子も、シュワっと溶けてとか、さくさく軽くてとか、ホワイトチョコなのに全然しつこくないなど、2人の関係を表しているような感じがとても好きです。この苺のお菓子は金沢に雰囲気の似たお菓子があるのでそれかなーと思います。金粉苺チョコとそのままの商品名です。

 

鎌倉ビール
甘く煮た螺貝
しらすがたっぷり盛られたどんぶり
お味噌汁

ここで知世ちゃんが食べているシラス丼は、王様のブランチでモデルとなったお店が紹介されていました。江ノ島の魚見亭で同じ物が頂けます。つぶ貝はこりこり食べているし、生姜と紫蘇以外はぜんぶしらすだったりとか、口の中で噛んで弾けては溶けるのあたりが美味しそうで新鮮な生のシラスが食べたくなります。シラス漁には禁漁期間がありますので、本当の採れたてを食べたい方はその日の漁を調べてから向かうのがお勧めです。

 

ジョッキビール
鳥皮ポン酢
ハツ、しし唐、鳥皮、ねぎま、うずら、手羽先、軟骨
レモンサワー
きゅうりの漬物
山芋たんざく

映画を見てからの雑居ビルの小さな焼き鳥屋さんで食べた物達。ここの焼き鳥屋が物語の中でも大切なポイントの1つになると思います。炭の香ばしい匂いや、ほっこり湯気と塩気が溢れるところも食べに行きたくなります。しし唐を選択する渋さに椎名さんの年上感がありますよね。

 

紅茶のリキュール
燻製の卵

飯田ちゃんの食べている燻製カマンベールも美味しそうなのですが、ここで知世ちゃんが食べているのは燻製の卵なのですよね。醤油と煙っぽい香りが先程の焼き鳥屋との繋がりと言うか、心残りなのかなぁと思いながら読んでいました。紅茶のリキュールのかすかに甘い紅茶の香りと、上品でいくらでもするする飲めそうな感じが次につながるのですよね。BARで出てくる女子向けだとフォションかしら?ティフィンも美味しいです。

 

ビール
白いモツ煮
殻付きの海老

大阪での待ち合わせ前の食事シーン。ふわふわの白いモツ煮の後、海老が凄く美味しそうでたまりません。ここは是非読んで下さい。鮮度の良い海老はこうなのですよ!活きている海老の殻を剥くところからの描写はたまりません。

 

鮮やかに赤いユッケ
ぶ厚いハラミ、噛みごたえのある顎
赤ワインのグラス

知世ちゃんはよく食べますよね。地下の居酒屋から焼肉屋と二軒のお料理の描写の違いが緊張感として表れているように思います。ユッケの脂そのものが甘いとか、ちっともクセがなくてとろとろだったところとか大阪まで食べに行きたくなります。

 

ここで手に入りそうな物を軽くまとめますね。

箔一のオンラインショップ HAKUICHI STYLE|金沢箔工芸品・菓子・金箔材料 / 金箔いちごチョコ

神奈川の天然水仕込みビール2種4本飲み比べセット (北鎌倉の恵み×2、YOKOHAMA XPA×2)

絶景の景観にうまい飯。新鮮海鮮なら「江ノ島 魚見亭」

紅茶の違いがわかるあなたに♪♪フォション180ml、ティフィン200mlティリキュール味くらべ各1本

 

江ノ島にしらす丼を食べに行きたいです。

 

小説 太陽の簒奪者 野尻 抱介

先日観た映画「メッセージ」から国産SFのファーストコンタクト物が読みたくて、周りの方に色々と聞いて回っておりました。その中でお薦め頂いた「太陽の簒奪者」を読んでみました。

太陽の簒奪者

プロローグからちゃんと日本です。観察をして記録する事の大切さがここにあります。

 

こちらの小説もメッセージと同じく女性が主人公です。彼女の生きた道が異星人との交流の道となります。

「恐れを捨てて 、彼らと出会う日を想像してください 。彼らの歌を聴き 、詩を語る日が来ることを。」

このセリフにとても共感してしまうのは、日本人だからなのか、女性だからなのかを考えはじめると時間があっという間に立ってしまいます。

相手に意思はあるのか、言葉はあるのか、思考することができるのか、会話が成立するのかと言う疑問をクリアしての交流、そして導き出された結果。とても読み応えがありました。彼女の生きた道を是非読んでみて下さい。

小説 大きな熊が来る前に、おやすみ。 島本理生

表題とあと二つの短編が載っています。どれも恋する女性のお話。

大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫)

先日、島本理生さんの新刊のお話をした時に、フォロワーさんの好きな作品をお聞きして、気になって読み直してみました。

 

大きな熊が来る前に、おやすみ。

夜、寝れない2人、色々あってと言うにはちょっと彼女が心配になるほどの関係ではあるのですが、最後が好きです。今までではなく、これからにつなぎたい終わり方でした。「それでもここからまた一つずつ積み上げていくしかない」このセリフの為にある物語な感じです。

 

クロコダイルの午睡

ちょっと他の作品とは違う短編です。なんでかなぁと読み進んで気がついたのは、男の人が良くしゃべるのですよ!個人的には色々話してくれる人はありがたいのですが、口は災いの元でもあります。そういうお話です。それでも、服を買ったり髪やネイルに気を使う彼女はとても好きです。

そしてお腹が空きます。青森のめったに手に入らない美味しい日本酒を味わいたくなりますよ。彼女のようにお料理が出来て美味しい物が分かるようになりたいものです。

 

猫と君のとなり

彼女が悩みつつ穏やかな関係を育んでいく過程をあたたかく見守るような、柔らかいお話をです。2人とも出会えて一緒に居ることができて良かった。最後のお願いが満たされて初めて言えるセリフ、ここにたどり着くまでの素敵な物語でした。

 

悲しい時のスープや、公園でのお弁当のサンドイッチ、タコとニンニクの芽のスパゲッティー、甘くないチーズケーキ、お料理が色を付け、香りを追加して、彼女達の心を鮮やかにしている気がします。出来ればおやつを食べた後のコーヒータイムに読む事をお勧めします。

 

 

ナラタージュ (角川文庫)