なみのりいるかの夢

しばらくは雑記です。

小説 わたしたちは銀のフォークと薬を手にして 島本理生

2017年秋に映画「ナラタージュ」の公開が予定されている島本理生さんの新刊「わたしたちは銀のフォークと薬を手にして」が6月10日発売されました。

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

 この小説の表紙の唇はそれぞれの登場人物をイメージした花で形作られています。そして、帯に登場人物4人のセリフが30代女性にはグッとくると思います。是非書店で手に取って見て下さい。

 

30代の悩む女性のそれぞれの恋愛と、主人公の悩みながらも進むハッピーエンドだけど切ない恋愛が描かれています。皆んな何かに悩んで色々初めて諦めて終わらせているんですよね。表題の銀のフォークと薬はハッピーエンドと切なさのキーワードです。銀のフォークは飾ると結構くすんできますが、それを銀磨きで磨くとピカピカの新品に戻るのですよ。だからこの2人も、今後特別じゃない日常を過ごしつつ、丁寧に磨いて銀の輝きを取り戻していけるんだろうなと思います。

でも、妹はちょっと不満多すぎだった。お姉ちゃんと別の意味で母親に作られた人生で可哀想ではあるので、あの最後は向き合うのではなく外に出るあたりが救いでもあり、妹でもあるなぁと納得してしまいましたが。

登場人物の中ではグラドルの彼女がお気に入りです。色々見てきて彼女なりに考えて、そして旅をして、したたかに生きて欲しい。

 

島本理生さんの本は出てくる食べ物がとても美味しそうでお腹が空きます。今回は蟹とパクチー&餃子、鯛飯とパエリアが食べたくなりました!旅行先のご飯も美味しそうで、いつか旅をする時に食べてみたいです。旅先の描写も、旅をしたいなと誘われるので、直島には今度行ってみようと思います。

 

恋に悩んでる女性にお薦めの1冊です。